ゴダバリデルタひとり旅(4/18)

 ゴダバリデルタはボーリングの手伝いに行っただけで、いろいろなところを見学していなかったのでこれではいけないと思ったが、教室の皆さんはモンスーン(雨季)が来る前にボーリング調査をなるべくたくさんやってしまいたいようで、いっしょに行く機会はなさそうなので、ひとりで行くことにした。
 日曜日にバスターミナルへ行って切符を予約し、インターネットでホテルを探し、見学箇所もある程度見当をつけ、月曜の朝、高速バスでゴダバリデルタの付け根にあるラジャムンドリへ向けて出発。今は夏の盛りで、バスはエアコンなし、窓から風が入るとはいえ、4時間乗ったらかなり参った(帰りは鉄道にしようっと)。
 宿はゴダバリ川に面したなかなか高級なホテルで、ランチバイキングで元気になった。移動手段はタクシーしかないので半日貸切りにして、手始めに博物館を2箇所訪問した。
 デルタの付け根にイギリス植民地時代に建設された堰があり(幅5837m!)、建設を担当したサー・アーサー・コットンの名前のついた博物館がある。洪水や旱魃がつづき、ゴダバリデルタの農民は苦しんでいた。1821年に主任技師としてインドへ派遣されたコットンはデルタの付け根に堰を建設し、デルタに灌漑用水網を整備した。おかげでゴダバリデルタはインドの穀倉地帯といわれる豊かな土地になった。めでたしめでたし、という展示である。植民地支配をしていたイギリス人だが、各地にコットン卿の騎馬像や胸像がつくられ、(ゴダバリデルタでは)ガンジーマザー・テレサ並みの人気のようだ。

(コットン堰)

(コットン卿騎馬像)

 ナイルデルタの付け根にも植民地時代に建設された堰があったし、日本でも明治のはじめにお雇い外国人技師と呼ばれる人たちが活躍し、オランダ人のヨハネス・デ・レーケなどは各地で河川工事や砂防工事に携わった。
 もう一箇所は考古学博物館で、停電で中は暗かったがビシャカパトナムの博物館とくらべると格段に充実した展示で感心した。博物館の目の前はゴダバリ川をわたる道路・鉄道共用橋(約2700m)で、アジア最長?らしい。


(road-cum-rail bridge;上が道路橋、下が鉄道橋)